やらしいファッションショー

   

  

 初めは、限られたある地域の、ハイティーンの間でのことだった。胸の谷間程度の露出がだんだんと下の方に広がり、乳房の丸みを見せるようになってきた。各メディアにとりあげられるようになるといっせいに広まり、子どもから中高年まで幅広い年齢層で見られるようになった。
 乳首まで見せる人は少ない。乳房全体を露出し、乳首キャップと言うもので乳首だけ隠している。おっぱいを丸出しにするのではなく、透ける素材でおっぱいを見せる服や、ぴったりとして乳房、乳首の形がよくわかるようになっている服もある。ここでは乳房全体を見せるタイプのファッションを紹介してる。
 おっぱいを見せるファッションが流行っている。
 おっぱいは外見からわかる女性の身体の大きな特徴の一つである。乳房を女性性の象徴として積極的に白日の下にアピールする姿は、ほんの少し前には考えられないほど、今や当たり前の感覚になっている。

 かつて日本画を描いていたときよく裸婦デッサンをしていた。絵を描いていると、見る、描くということに集中する。スケベな視線はなくなってくる。裸の女性を目の前にしていても、人体は「もの」になる。ときどきは裸の体を見ながら頭の中でいやらしいことをあれこれ思いめぐらせている。
 ダンスや演劇などの舞台、ファションショーで裸が出てくると、ついついそこばかり目がいってしまう。
 ファッションショー、では、服が主役で、モデルは服を着ている「もの」としてある。奇天烈な格好をしているのに気どって歩いている。おっぱいが透けていても、ポロッと見えていても構わない。カッコつけているのが間抜けだ。大体おっぱいを出して街中を歩いている人はいない。 
 そんな格好で歩いているファッションショーは大好きだ。裸は裸として、いやらしい視点で見てしまう。
 「おっぱいモードコレクション」は、おっぱいを見せるファッションを、色鉛筆で写真的に描いた絵、壁掛けレリーフのトルソに、おっぱいを露わにした服を着せた作品、その服のみの展示、おっぱい自体が服になっている「おっぱいベスト」を着て、そのおっぱいを露出している人形などによって構成されている。

よみもの essay

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